手足のしびれ

手足のしびれは「血行の悪化」や「神経の圧迫」がおもな原因に挙げられます。

●筋肉の緊張

筋肉の緊張によって血管や神経が圧迫され、しびれを生じる場合があります。
次のように手と足それぞれ原因が異なります。

・手のしびれ：首、胸の緊張
・足のしびれ：お尻、足の付け根、腰部の緊張

とくに猫背（不良姿勢）や骨格のゆがみによって、緊張が強まりやすくなります。

●ストレス

ストレスで交感神経が優位な状態になると、末梢血管が収縮します。
血行の悪化から神経が酸欠状態になり、しびれを生じることがあります。

●脊柱の疾患

ヘルニアや狭窄症によって、神経が圧迫されることがあります。

・椎間板ヘルニア

椎間板が後方に飛び出したものです。
前かがみ動作（下を向いた姿勢）によって発症しやすくなっています。

・狭窄症

脊柱管が狭くなったものです。
おもに加齢が原因といわれています。

●外傷

交通事故で首の神経を痛めると、手のしびれを生じることがあります。
また、骨折や脱臼、捻挫などの外傷によって関節や骨に変形が生じ、神経が圧迫される場合もあります。

●病気

糖尿病や心疾患、脳血管障害といった病気の影響で、しびれが生じる場合があります。

●手足がしびれる

神経の支配領域に、ピリピリ、ジンジン、チクチクといったしびれを生じます。
また姿勢や運動によって、しびれが強まることがあります。

・ヘルニア：前屈動作
・狭窄症：後屈動作、歩行（間欠性跛行）
・筋緊張：長時間の同じ姿勢、身体の冷え

●放散痛

内臓で発生した痛みが神経を通って、体のほかの部分に伝わる痛みを「関連痛」といい、関連痛のうち病気の原因部位とまったくかけ離れた部位に現れる痛みを「放散痛」といいます。

神経の圧迫によって手足に放散痛を生じることがあります。

●力が入らない

しびれだけではなく、「力が入りにくくなる」「筋肉が萎縮する」ことがあります。
神経の圧迫によって、運動神経（筋肉を動かす神経）の働きが鈍くなるためです。
ヘルニアや脊柱管狭窄症などでは、状態が悪化すると足に力が入らず、つまずきやすくなることもあります。

●手足を温める

身体を温め、血行を改善することで、しびれの緩和につながります。
とくに次の箇所を温めると、神経の圧迫がやわらぎやすくなります。

・手のしびれ：首まわり（とくに前側）、鎖骨周辺、胸など
・足のしびれ：腰部、お尻、足の付け根、腹部など

また、湯船に浸かる入浴も効果的です。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、全身を温めましょう。

●水分摂取

水分不足は血流に影響を与え、循環の低下にもつながります。
1日1.5〜2ℓを目標に、こまめな水分補給を心がけましょう。

●ストレスの発散

ストレスの蓄積は、自律神経の乱れから身体が緊張しやすくなります。
「散歩をする」「趣味に没頭する」「友人と会話を楽しむ」など、リラックスする時間を作りましょう。

また瞑想（深呼吸）によって、気持ちを落ち着かせることが期待できます。

・楽に座り、目をつむる
・お腹の中に空気を入れるイメージで、鼻からゆっくり息を吸う
・お腹の中の空気を出すイメージで、口からゆっくり息を吐く

雑念を消すため、呼吸だけに意識を向けるようにしましょう。
寝る前に10分ほど深呼吸を繰り返すと、睡眠の質の向上にもつながります。

●正しい身体の使い方、姿勢

背中の丸まった姿勢は、首から背中、腰部の緊張を強める傾向にあります。
顎を軽く引いて、背筋を伸ばした姿勢を普段から意識してください。

また、ヘルニアの予防のために、中腰になる際は膝から曲げるようにしましょう。

●体幹の筋力強化

正しい姿勢を維持できるよう、体幹の筋力を鍛えましょう。

・背筋（バードアンドドッグ）

四つん這いになります。
そこから、「右手、左足」を地面と水平の高さに上げ、20秒ほどキープします。
「左手、右足」と交互に、2〜3セットを目標に行いましょう。

・腹筋

仰向けに寝ます。
腰を支点とし、両足を伸ばしたまま上にあげていきます。
90度ほどまで上げたら、今度は両足をゆっくりと下ろしていきます。

この動きを10回ほど繰り返しましょう。
足を下ろす際、足が床につかないようにすると、より腹筋に負荷をかけられます。

●適度な運動

20分以上のウォーキングを毎日の日課にしましょう。
適度な運動は循環をよくするだけではなく、気分転換にもつながります。

●ストレッチ

全身のストレッチを行い、身体のバランスを整えましょう。
とくに股関節やお尻、胸、肩甲骨付近をしっかりと伸ばしてください。

手足のしびれは、交通事故や背骨の変形（ヘルニアや狭窄症）、末梢神経の圧迫、けん引などにより生じます。
また、内科的疾患でも生じるものもあります。

内科的疾患以外のしびれに関しては、しびれの原因に合わせて施術を決めていきます。
筋肉をほぐし、特殊電気療法を使用して神経の興奮にアプローチしていきます。

生活のなかでもしびれを悪化させない身体の使い方をしていくことで症状の緩和が期待できます。
気になる方はお気軽にお問い合わせください。