骨盤のゆがみ

●不良姿勢

骨盤のゆがみには、普段の姿勢が大きく影響します。

・イスに浅く腰かけ、背もたれに寄りかかる
・前かがみでパソコンやスマホを操作する
・車の運転
・赤ちゃんの抱っこ

とくに長時間同じ姿勢がつづくほど、骨盤周辺の緊張バランスが崩れ、ゆがんだ状態で固まりやすくなります。

●アンバランスな身体の使い方

左右アンバランスな身体の使い方をしていると、骨盤が捻られる場合や、前後に傾きやすくなります。

・足を組んで座る
・片足に重心を置いた立ち方
・頬杖をつく
・カバンをいつも同じ腕で持つ
・スポーツや仕事で同じ方向に身体を捻る
・床に横座りやアヒル座りをしている

●出産

妊娠、出産時はホルモンの影響で骨盤が開きます。
くわえて、産後は家事や育児によって骨盤への負担が大きく、ゆがみを生じやすくなっています。

●筋力の低下

骨盤周辺の筋力が低下すると、骨格の位置を維持できず、ゆがみにつながりやすくなります。
加齢や運動不足などが、筋力の低下が起きる要因に挙げられます。

●ケガの影響

捻挫や肉離れなど下肢のケガがあると、痛みをかばって重心が偏りやすくなります。

●筋肉や関節の痛み

骨盤は身体の土台としての役割を持つため、傾きがあると姿勢が崩れやすくなります。
姿勢が前かがみになることで上半身の緊張が強まり、肩こりや腰痛へとつながります。

また、股関節を介して下半身への荷重バランスが崩れ「O脚・X脚」「変形性膝関節症」「外反母趾」といった、脚の症状にもつながる可能性があります。

●むくみ・冷え（血行不良）

骨盤がゆがむことによって、腹部が圧迫されることがあります。
内臓の機能低下で循環が悪くなると、冷えやむくみにつながりやすくなります。

●下痢・便秘・生理不順

骨盤内には胃腸や生殖器が収められています。
ゆがみによってそれらの臓器が圧迫されることや位置がずれることで、下痢や便秘、生理不順を起こすことがあります。

●身体のラインが変わる

骨盤が傾くと内臓の位置が下がり、下腹が出やすくなります。
また、ゆがみのある方はお腹まわりの筋肉をうまく使えていないことが多く、脂肪もつきやすいです。

●身体が傾く

骨盤のゆがみがあると「肩の高さの変化」「脚長差が出る」など、身体が全体的に傾きやすくなります。

●前傾・後傾の確認

・床の上に仰向けで寝る
・腰と床の間に、左右から手のひらを入れる

無理なく手のひらが入り、左右の指がつく場合は、骨盤が前傾気味の可能性があります。
反対に手のひらがまったく入らない場合は、後傾していると考えられます。

●ねじれの確認

仰向けに寝て、お尻の下に手のひらを入れます。
左右どちらのお尻の下にも、手のひらが入りにくい場合は、ゆがみが少ないといえます。
しかし、左右どちらかのお尻の下に、手のひらが無理なく入る場合は、骨盤のねじれが考えられます。

一度確認するだけではなく、対処や予防と合わせて定期的に確認してみましょう。

●ストレッチ

股関節や太もものストレッチをして、骨盤周辺の緊張バランスを整えましょう。

・股関節のストレッチ

・足を大きく広げて立ち、膝の上に手を置く（相撲の四股ふみの姿勢）
・そのまま体幹を左右に捻り、股関節から腰部の筋肉を伸ばす

身体を左に捻る場合は、右手で右膝を外側に押すようにしながら、体幹をひねります。
左右バランスよく、ストレッチしましょう。

・太もも前側のストレッチ（とくに前傾気味の方）

膝を曲げてかかとをお尻につけます。
その状態で、上半身を後ろに倒していくと、太もも前側の筋肉をストレッチできます。

・太もも裏側のストレッチ（とくに後傾気味の方）

膝を伸ばし、つま先を90度に立てます。
その状態で、上半身を前に倒していくと、太もも裏側の筋肉をストレッチできます。

●膝倒し

仰向けに寝て、両膝を立てます。
上半身はそのままで、両膝を揃えたまま左右交互に倒しましょう。
最初は倒しにくい方向がありますが、繰り返していくうちにバランスが整っていきます。

●姿勢の改善

デスクワークにおける、座り方を改善しましょう。

・背もたれまで深く腰かける
・坐骨で座るように意識する
・顎を軽く引いて、背中を伸ばす

また、前かがみや反り腰にならないよう、机、イスの高さ、スクリーンの角度も調整してみてください。

・肘を90度にしてキーボード操作ができる机の高さ、机とイスの距離
・目線の高さか、やや下に目線を向けられる画面の角度

●アンバランスな身体の使い方をしない

アンバランスな身体の使い方は意識して修正しましょう。

・足を組まない
・左右の足にバランスよく荷重をかけて立つ
・横座りやアヒル座りをしない
・カバンを左右でバランスよく持つ（リュックサックにする）

●運動をする

ウォーキングによって股関節、肩甲骨を大きく動かし、全身のバランスを整えましょう。
毎日20分以上を目標に、やや大股で歩くように意識してください。

●骨盤まわりの筋力トレーニング

骨格を支える筋力（インナーマッスル）を鍛えましょう。

・仰向けに寝て、両膝を立てます。
・お尻から太もも裏の力を使って、背中を浮かせます。
・肩から膝のラインが一直線になる高さで10秒ほどキープします。（腰を反らせない）

このトレーニングを10セットを目標に行いましょう。
とくに産後の骨盤の開きに効果的です。

骨盤のゆがみは、日常生活のなかで片足立ちが多い、足をよく組む、横座りをよくする、産前産後が原因で起こることがあります。

当院では自費メニューとして骨盤矯正があり、腰椎と股関節にアプローチをしてゆがみを整えます。
施術だけではなく、日常生活でも不良姿勢をとらないことと、運動を行うことも重要です。

運動に関して当院では、電気刺激によって体幹の筋肉にアプローチするEMSとよばれる機器もあるので、気になる方はお気軽にご相談ください。